2012年10月10日
グールドのバッハ:ゴールドベルク変奏曲-メモリアル・エディション
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グールドの全く対照的な新旧2つの「ゴールドベルク変奏曲」を一つのセットに収めた好企画盤。
旧盤の繰り返しをすべて省いた一直線の快速の演奏、新盤のゆったりとしたテンポで、自らの人生を顧みるかのような味わいのある演奏。
いずれも優劣の付け難い永遠の超名演と言うべきであるが、それを一つのセットにまとめることによって両者の違いをより明確に聴き分けることが可能となったのも大いに評価に値する。
新盤では、繰り返しの実施の有無が各変奏曲によってバラバラで一貫性がないとの批判が一部にあるが、これは、グールドのバッハ解釈の究極の到達点を示すものとして、むしろ肯定的に解釈すべきではなかろうか。
もちろん、グールドのバッハだけが、バッハ演奏の正当な解釈であると言うつもりは毛頭ないが、従来の古色蒼然たるバッハ解釈に新風を吹き込み、芸術性を損なうことなく、バッハの知られざる魅力を堪能させてくれたという意味では、グールドの功績は大と言わざるを得ないだろう。
不眠症のカイザーリンク伯爵がゴールドベルクではなくグールドの演奏を聴いたら、さて、どんな感想を持ったであろうか?
これなら眠くなるどころか、面白くて目は爛々と輝き出すだろう。
SACDほどではないが、Blu-spec CD化によって、かなりの高音質でグールドの超名演を鑑賞できるのは大変嬉しい限りだ。
1981年録音も従来のデジタル最初期のトゲトゲしさがなく、更に嬉しいのは、1955年録音が遜色ない素晴らしい音にリフレッシュしている。
素敵なブックレットも付いているし、アウトテイクも貴重である。
特にアウトテイクを聞いているとグールドの芸術性の高さを確認できる。
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