2012年08月26日
マゼール&フランス国立管のホルスト:「惑星」他
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本盤が録音された1981年といえば、マゼールがクリーヴランド管弦楽団の首席指揮者の最後の時期で、これからウィーン国立歌劇場総監督に就任という、最も上げ潮の時期であった。
これまで聴いてきた『惑星』の中でも、これこそ「決定的名演」といえるくらい素晴らしい。
この曲はまさにマゼール向きの曲であり、いろいろ他のディスクも聴いたが、やはりこれを上回る響きと色彩と迫力と構成感を持ったものはなかった。
まさにステレオを聴く醍醐味にあふれた素晴らしい演奏であり録音だと思う。
本当はクリーヴランド管と演奏しても悪くはなかったのだが、ここでは「人生で一番決定的な演奏を残そう」という思いからフランス国立管を起用したのは好判断だと感じた。
冒頭の「火星」から、金管や打楽器による除々に迫りくる緊迫した音色、「金星」では一変してホルンやヴァイオリンのソロによる静まりかえったような雰囲気はとても冴えている。
他の曲もテーマによってカムフラージュするオケとマゼールの指揮さばきは、聴く者を捉えて離さないといった性質を持っているように感じ得た。
マゼールのように、演奏スタイルがコロコロ変わる指揮者は、ワルターなど少数であるが、この時期のマゼールは、新しい解釈をしようという意欲が旺盛。
したがって、演奏によってはそれが空回りし、いささかやり過ぎの印象を与えるものもあるが、この『惑星』については、そうした表現意欲と楽曲の曲想が見事にマッチした名演になっている。
「火星」や「天王星」の終結部のように大見得を切る解釈や、「木星」の中間部の猛烈なアッチェレランドのように、いかにもこの時期のマゼールならではの意欲的な解釈も散見されるが、造型についてはいささかの弛緩もすることなく、統御が困難と言われるフランスのオーケストラを卓越した統率力でコントロールし、全体として個性的な名演を成し遂げた点を高く評価したい。
併録の「3つのオレンジへの恋」は、『ロミオとジュリエット』全曲でも名演を成し遂げ、プロコフィエフを得意としたマゼールならではの名演だ。
歯切れ良いリズムと豊かな表現づけが、バレエの明るい雰囲気を生き生きと伝えている。
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