2012年08月27日
アシュケナージ&シドニー響のラフマニノフ:交響曲・管弦楽曲全集
この記事をお読みになる前に、人気ブログランキングへワンクリックお願いします。
アシュケナージの新たな手兵、シドニー響と描くラフマニノフの世界。
シドニー響のブリリアントな響きと、アシュケナージの統率力、構成力が一体となって、魅力的なラフマニノフ・ワールドを築き上げている。
ロイヤル・コンセルトヘボウ管との全集に次ぐ2度目の全集である。
オーケストラの質や力量の違いもあって、筆者としては、旧全集の方を今なお上位に置きたいが、ラフマニノフはアシュケナージの得意の楽曲だけあって、本盤でも、決して一流とは言えないシドニー交響楽団を見事に統率し、抒情溢れる名演を成し遂げている。
旧盤と比較すると、やや角が取れ丸くなった印象があるが、それは、アシュケナージの円熟と無関係ではないだろう。
これは名演だ。大いに堪能した。
ラフマニノフの作品は陰鬱な抒情と纏綿たる情緒が特徴だから、それらを照れずに表現すればそれだけでかなりの満足度が保証される。
アシュケナージの指揮は旧盤より一層語り口がうまくなって歌も迫力も申し分なし。
オーケストラの精度は、ランク付け的には旧盤のロイヤル・コンセルトヘボウ管にかなわないだろうけど、ここでは不満はなし。
併録の「カプリッチョ・ボヘミアン」のようなラフマニノフの初期の曲を、魅力あふれる楽曲に仕立て上げるのも、ラフマニノフを得意とするアシュケナージならではの力量だと言える。
全てにおいて、巨匠アシュケナージの音楽的底力である、テンポ感、リズム感、前進力、構成力には脱帽だ。
ともかくこれからの両者のレコーディング活動に存分に期待できる新鮮な録音となった。
ところで、クラシック音楽情報ならこちらがオススメです。
人気ブログランキング
フルトヴェングラーのCDなら、 フルトヴェングラー鑑賞室。