2012年09月16日
ムーティ&ウィーン・フィルのシューマン:交響曲全集
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ムーティのシューマン:交響曲全集の再録音で、旧盤に比べムーティの音楽的充実ぶりは著しい。
ムーティは、シューマンをブラームスのように重厚にではなく、軽快で明るいタッチで演奏している。
したがって、このようなアプローチで成功しているのは、「第1」の「春」の方だと思う。
シューマンならではのロマン的な香りに満ち溢れており、正に、人生の春を謳歌するような歓びでいっぱいになるような名演だと思う。
「第2」も実に軽快な演奏で、同じウィーン・フィルを指揮した名演として、シューマンの深層心理への鋭い切り込みを見せるシノーポリ盤や、熱い血がたぎるようなバーンスタイン盤がある。
これらの名盤に比べると、どうしても影が薄くなるが、ウィーン・フィルの美演を最大限に生かしているという意味では、本盤が一番かもしれない。
「第3」も、バーンスタイン盤に比べると、いささか淡泊な印象を受けるが、ウィーン・フィルの演奏の美しさを堪能させてくれる点については、「第2」と同様に評価されるべきであろう。
「第4」は、フルトヴェングラー盤をはじめとする往年の巨匠が重厚な名演を成し遂げてきた楽曲でもあり、ムーティのアプローチでは、いささか軽妙に過ぎる印象を持った。
シューマンのオーケストレーションに多くを求めることは難しいが、それでも、指揮者の力量により大名演を成し遂げた過去の巨匠の域には、未だ達していないということだろう。
全4曲を通じて、ムーティがウィーン・フィルから極上の豊潤な響きを引き出しており、シューマンのロマン的心情を鮮明に浮かびあがらせている。
ところでムーティのシューマン全集のベストはウィーン・フィル盤だと思うのだが、廃盤になっていて、旧盤だけが入手可能であり、これは謎だ。
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