2012年09月02日
スヴェトラーノフ&BBC響のラフマニノフ:死の島/ムソルグスキー:展覧会の絵
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『死の島』は、冒頭から低弦が凄まじい唸り声をあげる。
ラフマニノフの重厚で重心の低いオーケストレーションを、これでもかというくらい圧倒的な重量感で歌い抜いている。
他方、繊細な抒情にもいささかの不足もなく、BBC交響楽団が、あたかもロシアのオーケストラのような音色を出しているのも、スヴェトラーノフの類いまれなる統率力の賜物ということができるだろう。
メインの『展覧会の絵』は、1970年代にソヴィエト国立管弦楽団と録音した演奏も、いかにもスヴェトラーノフならではの重厚な名演であったが、本盤に収められた演奏は、当該名演に、更にライヴならではの熱気も付加された超名演ということができる。
しかもロシア・ソ連のオケのような刺々しい質感ではなく、ある種の品格をも備えている点、スヴェトラーノフ指揮のディスクの中でも特異な位置にあると言えよう。
スヴェトラーノフは、各プロムナードの主題をやや速めに演奏して、組曲を構成する各曲の主旋律をややテンポを緩やかにして演奏することにより、各曲の性格の描き分けを効果的に行っている。
こうした演奏は、円熟を通り越して老獪ささえ感じる至芸だと思うが、特に、「ビドロ」の踏みしめるような重厚な歩みなどは実に印象的。
「キエフの大門」は、打楽器の最強奏と相まって、空前にして絶後のド迫力を示している。
特に終結部は、天を差すが如き長大な“スヴェトラーノフ・クレッシェンド”(16秒!!)には鳥肌立つこと間違いなしである。
終了後の熱狂的な拍手もむべなるかなと思われる。
録音も1999年のものだけに、非常に鮮明であり、スヴェトラーノフの至芸を高音質で味わうことが出来ることを大いに喜びたい。
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