2012年09月12日
シャイー&ゲヴァントハウスのメンデルスゾーン:交響曲第2番「讃歌」/「真夏の夜の夢」序曲
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2005年9月2日、ライプツィヒ、新ゲヴァントハウスでのライヴ録音。
このディスクに収録されたメンデルスゾーンはいずれもオリジナル・エディションを採用という非常に興味深い演奏内容。
固めに引き締まったトランペットのサウンドが印象的な『真夏の夜の夢』序曲も聴きものだが、何といっても注目は交響曲と言える。
第1楽章冒頭の格調高い金管に、どっしりと腰を落とした弦の旋律、ハーモニーは絶品で、続く第2楽章では特に管楽器のコラールが極上の響きを醸し出す。
第2部となる第4楽章以降のカンタータにおける荘厳で、柔軟性にも富んだ合唱は何とも魅力的で、ここにおける至福の響きは録音の少ないこの第2番における新たな名盤の誕生を印象付けている。
メンデルスゾーンの「第2」は傑作であるにもかかわらず、独唱や合唱が入ることや、1時間近くも演奏に要することもあって、録音点数がきわめて少ない楽曲である。
そのような中で、シャイーが、本盤で2度目の録音を行ったというのは、メンデルスゾーンへの深い愛着と、知る人ぞ知る傑作への理解を示す証左と言うべきであろう。
前回の録音と異なるのは、初版を用いたことであるが、メンデルスゾーンにゆかりの深いライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団のカペルマスターに就任後の初のコンサート・ライヴということもあり、作曲者への深い愛着をべースとした、熱気に満ち溢れた渾身の名演に仕上がっている。
シャイーならではのカンタービレの美しさ,鋭敏なリズム感を背景とした熱狂的な興奮があり、いかにも現代的でシャープな感覚で貫かれた演奏だと思う。
特に終曲で改訂版と違い、悲劇性が次第に強まる中でも力強く、最終的に輝かしく終わるこの演奏は聴く者に豊かな感銘を与えてくれるだろう。
独唱陣や合唱も見事な出来であり、本名演に華を添える結果になっている。
カップリングの「真夏の夜の夢」序曲も、初版を用いることで、シャイーのメンデルスゾーンへの並々ならぬ愛着を感じるが、演奏も、繊細さと力強さを兼ね備えた名演に仕上がっている。
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