2012年09月22日
ハイティンク&シカゴ響のマーラー:交響曲第2番「復活」
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ハイティンクのマーラー指揮者としての適性については、筆者としては、やや疑問符がつくと思っている。
穏健派とも言えるハイティンクの芸風が、マーラーのような劇的な交響曲では、どうしても根源的な力強さに欠けるきらいがあると思うからである。
同じシカゴ交響楽団を振ったマーラーの「第6」など、その欠点がもろに出ていた。
本盤の「第2」も、確かに角がとれた演奏だ。
わめいたり叫んだりすることなど、薬にしたくもない。
しかしながら、その分、魅力的な箇所も満載だ。
例えば、第2楽章の繊細な美しさ。第4楽章の独唱が入る箇所の深沈とした深み。
そして、終楽章の合唱が入る箇所の荘重たる響きと、終結部の決して力づくではない壮大な迫力。
このように、ハイティンクの穏健なアプローチでも、十二分に魅力のある名演を成し遂げることが出来たのは、曲が「第2」というマーラーの初期の交響曲であったということが大きいのではないかと思われる。
「第2」はどうしても大上段に振り構えた演奏が多いようだが、この演奏はいい意味で力の抜けた、とても美しい演奏になっていると思う。
ただ、力が抜けているといってもシカゴ響のことだから鳴るべき所は十分に鳴り、なおかつ静かな部分では十分な余裕を持った演奏になっている。
これを聴いていると、やはり「第2」も角笛交響曲なのだということを強く意識させられる。
そして、何よりも素晴らしいのは、シカゴ交響楽団の卓抜した技量と、それを鮮明な音質で捉えたSACDマルチチャンネルによる名録音である。
総体として、高い評価を与えることができる名CDいうことが出来るのではないか。
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