2012年09月25日

デュ・プレ&バレンボイムのエルガー:チェロ協奏曲


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夫君バレンボイムとの共演は、デュ・プレが病気のために演奏活動を停止する3年前のライヴ盤。

ちょうど病が発症しはじめたころの1971年の録音で、真の病名をまだ知らずにいた彼女の豪快でスケールの大きな演奏が堪能できる。

当エルガー作曲のチェロ協奏曲のディスクに聴く独奏者デュ・プレの演奏の雄弁さには、なにやら尋常ならざるようなものが感じられる。

チェロという楽器ならではの線の太い表現力から、触れれば直ぐにでも崩れてしまいかねないデリケートな要素に至るまで、彼女のチェロがカヴァーしている領域はたいそう振幅が大きい。

ただ黙してついていくだけでもたいへんである。

デュ・プレのエルガーはまず音色が深々として格調が高く、その抒情的な部分の奥深さ、瞑想的な美しさは、ちょっと他の演奏家からは求められないものだ。

第1楽章からデュ・プレのチェロが鬼気迫るばかりで、粘りのある生々しい音と情感、暗く激しい心の表出など、実に味が濃い。

第2楽章の自在なリズム、間の良さ、ラルガメンテの見事さ、第3楽章の神さびた冒頭からフレーズをたっぷりとって真実の声を響かせてゆくまでの過程の素晴らしさ。

エルガーのチェロ協奏曲はまるでデュ・プレのために作曲されたかのようで、エルガーの音楽に必要ないくつかの独自の美学に対しても、彼女の対応のしかたには余裕があり、隙がない。

加えて、ここでは指揮者バレンボイムが独奏者を支える最適な伴奏をしていることも見逃せないだろう。

カップリングの「エニグマ変奏曲」も音楽の意味や美しさを過不足なく表出している。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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