2012年10月09日
キーシン&アシュケナージのプロコフィエフ:ピアノ協奏曲第2、3番
この記事をお読みになる前に、人気ブログランキングへワンクリックお願いします。
キーシンの進境には著しいものがあるが、そのことをあらためて思い知らされる1枚だ。
キーシンのソロは、アバドとの旧盤を超える名演。
キーシンのテクニックの切れ味は最高で、粒立ちの良さと音色の美しさを併せ持っている。
プロコフィエフのピアノ協奏曲の演奏に要求される超絶的な技巧を力強い打鍵で弾きぬき、それでいて、決して技術偏重の無機的な演奏に陥ることなく、ロシア的な抒情の表現にいささかの不足もない。
キーシンの完璧なメカニックとそれに優るとも劣らぬほどに横溢するポエジーがよく伝わってくる。
切れ味が鋭く、第3番のリファレンスとなる演奏だろう。
かつて、ピアノ協奏曲全集に名演を残したアシュケナージが指揮し、音が美しくダイナミックで十分な好サポートをしている。
筆者の中でプロコフィエフのピアノ協奏曲といえば、ユンディ&小澤/ベルリン・フィル(第2番)やアルゲリッチ&アバド/ベルリン・フィル(第3番)である。
それは今でも変わらないが、このプロコフィエフはどちらも高水準の演奏だと感じた。
ロシアの空気が漂い、その雄大な風景が目の前に現れたようであった。
前述の2つの演奏とはまた違う雰囲気があり、さらにキーシンの成長ぶりが伺える1枚だと思う。
このCDで驚くのは録音の素晴らしさ。
EMIとは思えない、クリアで広がりがあり、キレのある録音で、いつもの分厚い緞帳越しに聴いているような音とは大違いだ。
ところで、クラシック音楽情報ならこちらがオススメです。
人気ブログランキング
フルトヴェングラーのCDなら、 フルトヴェングラー鑑賞室。