2012年10月02日

ホーネック&ピッツバーグ響のマーラー:交響曲第1番「巨人」


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手垢に汚れたマーラーの「第1」を、新鮮な解釈で洗い流してくれるようなまさに新時代を感じさせる名演だ。

全体としては丁寧な演奏を心掛けているが、決して安全運転というのではなく、盛り上がりに向けての効果的なアッチェレランドや、緩急自在のテンポ設定、時折見られる美しいレガードなど、ホーネックならではの個性的な解釈が随所に見られる。

日本では読響への度々の客演でお馴染みのホーネックも今やピッツバーグ響とシュトゥットガルト歌劇場を押さえる実力者。

速いところではちゃんとテンポが上がるが、基本テンポが終始遅めなのは優秀な録音(拍手入りライヴとしては驚異的水準)を利してスコアを隅々まで聴かせようという意図か。

管が活躍するところは硬質の金管でまとめ、静かな部分はレガートで非常に美しく演奏させるというメリハリあるなかなかの力演である。

この曲らしい若さや勢いはやや削がれた感があるが、その代わり、マーラーならではの凝ったオーケストレーションを堪能できるし、そんなに大芝居を打つわけではないが、随所でこの指揮者ならではの個性的なスコアの読みが確認できる。

「レコード芸術」で吉田秀和氏が「この指揮者は、ウィーン・フィルでいろんな指揮者の棒の下で弾きながら、『自分ならこうする』と思うことが、いっぱい溜まっていたに違いない」といった趣旨のことを書かれてあったが、全くその通りだと感じる。

よくぞここまでやりたいことをやり遂げたし、オーケストラも大熱演で、ここ数年のマーラーの録音の中でも最高に楽しんで、最高に感動した。

そして、何よりもこのCDの素晴らしさは、筆舌には尽くしがたい鮮明な録音。

オンマイク気味で楽器の音を生々しく拾い上げた録音も痛快で、各楽器の音が、例えば終楽章の冒頭や終結部の大音量の箇所でも、これほどまでに分離して聴こえた例は他に知らない。

しかも、SACDのマルチチャンネルでなく、2チャンネルでもホールの空間が感じられるというのは、本CDの並はずれた音質の鮮明さ、素晴らしさを示していると言えよう。

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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