2012年10月16日

カラヤン&ベルリン・フィルの「モルダウ」、「前奏曲」〜スメタナ、リスト:管弦楽曲集


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オペラや交響曲の大作を指揮して数々の名演を聴かせてくれたカラヤンは、また同時にオーケストラの小品を指揮しても他の追随を許さない非凡にして絶妙な演奏を披露してくれた。

カラヤンは、大曲であろうと、本盤に収められた小曲であろうと、どのような曲を録音するに際しても決して手抜きをしなかった。

過去の巨匠では、決して小曲をおろそかにしたのではなかろうが、本盤のような小曲集を録音をする指揮者は少数であったこともあり、カラヤンの小曲集の質の高さは群を抜いている(アンチ・カラヤン派からは、それをセールスマンとして批判するのだろうが)。

本盤の出来も見事というほかはない。

特に、名演は「ヴィシェラフト(高い城)」。

チェコ出身の指揮者が行うチェコへの愛着を主体とした演奏とは異なるが、重心の低いベルリン・フィルを統率して、重厚にして壮大な珠玉の名演を成し遂げている。

「モルダウ」は、1980年代の最後の録音の方が味わい深く、そちらの方に軍配をあげたいが、それも高い次元での比較。

本盤の演奏も名演と評価するのにやぶさかではない。

筆者はスメタナの『わが祖国』が大好きなのであるが、カラヤンには是非とも「シャールカ」以降の4曲の録音を遺してほしかったという思いが強く、残念でならない。

「前奏曲」は、1980年代にも再録音しているが、統率力においてやや陰りがみられることもあり、本盤の方に軍配をあげたい。

おそらくは、フルトヴェングラーの名演と並んで、同曲の最高の名演と評価したい。

リストの他の2曲もカラヤンならではの名演ぞろいであり、本盤は、小曲においても惜しみなく全力を尽くしたカラヤンの至芸を味わうことができる名演集と言うことが出来よう。

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classicalmusic at 21:33コメント(2)カラヤン  

コメント一覧

1. Posted by 小島晶二   2022年06月01日 08:57
4 まさにカラヤンの独壇場,感心させられる独特の選曲による管弦楽曲集ですね。<高い城>や<モルダウ>も秀逸ですが,私は<前奏曲>と<ハンガリー狂詩曲>の巧みな統率力に感心しました。特に前者ではフルトヴェングラー,ショルティ,最近では大植英次の秀演が有りますが,録音と棒さばきを鑑みるとカラヤン盤が最上かも知れません。後者ではストコフスキーの秀演も有りますが,重厚さではカラヤン盤に軍配が上がりますね。
2. Posted by 和田   2022年06月01日 09:45
さすが懐が深い。もはやカラヤンを貶める者はいなくなりました。カラヤンは20世紀後半の最高の指揮者であることは間違いありません。それに加えて、単なる一音楽家として捉えるだけでは収まらない存在であったことも確かです。例えば「カラヤンは社会現象」であるとまで言われるほど様々な領域に影響を及ぼしました。しかし、他の領域といっても音楽に全く関係のないものではありません。カラヤンが関わりを持った領域は、飛行機、車、ヨットといった個人的な趣味、レジャーに属するもの以外は全て音楽に収斂されています。その最も端的な例がオーディオの分野でしょう。カラヤンの演奏スタイルは、20世紀を代表するものといえますが、その根底には良い意味で19世紀的な伝統を継承した要素を含んでいました。オーディオ、ヴィジュアルの分野でその発展と共に歩んできただけではなく、すでに21世紀を見ていたのかもしれません。

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Profile

classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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