2012年10月18日
アバドのペルゴレージ:スターバト・マーテル(新盤)ほか
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アバドは、ベルリン・フィルの芸術監督に就任して早々の頃は、大オーケストラを指揮すると甘さが目立つが、ヨーロッパ室内管弦楽団などの編成の小さいオーケストラを指揮すると名演を成し遂げるとの説が実しやかに囁かれていた。
筆者も、それに異を唱えるつもりはないが、ベルリン・フィルの芸術監督の任期中途にかかった大病を克服して以降は、見違えるように円熟の至芸を見せるようになったと考えている。
特に、ベルリン・フィルを離れてからのアバドは、別人のような鬼気迫る名演を行うことが多くなり、まさに巨匠の風格を示すようになってきたように思う。
本盤のペルゴレージも、アバドの故国イタリアの薄命の作曲家への深い愛着を感じさせる実に感動的な名演に仕上がっている。
特に、アバドとしても2度目の録音となる「スターバト・マーテル」は、ペルゴレージの最高傑作であることも相まって、おそらくは同曲のベストを争う名演と評価したい。
最近のアバドらしく、ピリオド楽器を使って旧盤には見られなかったオーセンティックな演奏を行っているが、内面に豊かな感情が脈打っているのが感じられる。
歌手陣もオーケストラも、アバドの卓越した統率力の下、最高のパフォーマンスを示している。
知名度がやや劣る「ヴァイオリン協奏曲」や「サルヴェ・レジーナ」も、これらの曲が持つ魅力を再認識させてくれる名演だ。
特に、「スターバト・マーテル」と「サルヴェ・レジーナ」の終曲は静謐に抑えられた演奏から耳には聴こえぬ強い思いの迸りが感じられ、思わず息を止めて聴き入ってしまった。
若い奏者から構成されるモーツァルト管弦楽団はアバドのそのような感情の動きに極めて敏感に反応する能力を持っているように思え、アバドが最近はウィーン・フィルやベルリン・フィルをあまり振らなくなった理由が解るような気がする。
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