2012年10月21日

ヴァント&ベルリン・ドイツ響のライヴ録音集成(1991-1996)


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ヴァントの未発表の超名演をCD化したプロフィールレーベルの快挙である。

ベルリン・ドイツ交響楽団はベルリン・フィルの存在故に影が薄いが、一流の指揮者と組んだ時は、ベルリン・フィルにも匹敵するほどの名演を行うことがある。

本盤は、その最たる例と言えるだろう。

ブルックナーの「第5」及び「第9」は、厳格なスコア・リーディングに基づく凝縮化された造型、鋭い金管の強奏など、ヴァントの個性が全開であるが、ここでは1980年代に見られたようなスケールの小ささは微塵も感じられない。

1990年代の後半のベルリン・フィルやミュンヘン・フィルとの至高の名演の高みに至る確かな道程が感じられるスケールの大きい名演だ。

シューベルトやブラームスの交響曲については、本盤とほぼ同じ時期に手兵の北ドイツ放送響やベルリン・フィル、ミュンヘン・フィルとの録音が遺されており、ここでもヴァントの完成された至高の名演を味わうことができる。

「未完成」の地下から響いてくるような重々しい厳粛さ、「グレート」の巨像の進軍、ブラームスの「第1」の終楽章の主旋律の独特のテンポ設定、「第4」の消え入るような繊細な開始や人生の諦観を感じさせるような抒情など、まさに巨匠だけが醸し出すことができる至高・至純の境地と言えるだろう。

シューマンの「第4」は、ほぼ同時期に録音した北ドイツ放送響を超える超名演だ。

フルトヴェングラーやカラヤン、ベームは、最晩年にシューマンの「第4」の名演を遺して鬼籍に入ったが、ヴァントもこれらの独墺系の巨匠の列に連なることになったものであり、これぞ大器晩成の最たるものと言える。

ベートーヴェンは、「エロイカ」が圧倒的な名演。

北ドイツ放送響との録音が1989年であるだけに、現時点で発表されている演奏では最後のものとなる。

それだけに重厚にして円熟の至芸を示しており、本盤こそヴァント最高の「エロイカ」とも言うべき超名演と評価したい。

併録の「コリオラン」や「エグモント」の両序曲も素晴らしい。

「第1」や「第4」は、後年に北ドイツ放送響との録音があり、そちらの方に軍配を上げたいが、それも高次元での比較であり、本盤の演奏を名演と評価するのに躊躇しない。

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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