2012年12月21日
アマデウスSQのブラームス:弦楽四重奏曲全集&ドヴォルザーク:「アメリカ」
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ブラームスは、交響曲や協奏曲などにも傑作を遺したが、作品を大観したところ、やはり室内楽曲に本領を発揮した作曲家と言えるのではなかろうか。
にもかかわらず、室内楽曲の王道とも言うべき弦楽四重奏曲はたった3曲しか作曲していない。
それも、交響曲第1番を書き上げるまでに、すべてを作曲し終えている。
ブラームスは、その後は、弦楽六重奏曲やクラリネット五重奏曲、ヴァイオリン・ソナタなどの傑作を生み出していくことになるので、もしかしたら、弦楽四重奏曲というジャンルに限界を感じたのかもしれない。
それとも、ベートーヴェンという存在があまりにも偉大に過ぎたのであろうか。
それはともかくとして、ブラームスの弦楽四重奏曲も、決して凡作ではなく、室内楽曲に数々の名作を遺したブラームスの名声に恥じない佳作であると思う。
その佳作のトップを争う名演が、このアマデウス弦楽四重奏団による本盤だと考える。
この録音はアマデウス弦楽四重奏団結成10年程の時期のもので、颯爽として若々しいパワフルさと、ポルタメントやルバートなどを流麗に使いこなす演奏はこの時期ならではのもので、ブラームスの楽想を再現するのに最適と言える。
また、一分の隙もなく、旋律線と内声のバランスも非常に良い演奏は、内声の比重の高いブラームスの世界を見事に表現している。
さらにアマデウス弦楽四重奏団の素晴らしさは、決してメカニックな音を出すことはなく、たとえて言うならば、演奏に手作りのぬくもりがあるということだ。
これは、今をときめく現代の弦楽四重奏団には望みえない境地と言えるだろう。
そして、このような温かいアプローチが、ブラームスの音楽にぴったりなのだ。
ドヴォルザークは、旧録音であり、新録音があまりにも素晴らしい名演であるため、どうしても影が薄いが、生命力溢れる前進性という意味では、本盤に軍配があがるであろう。
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