2012年10月24日
ヨッフム&ベルリン・フィルのブルックナー:交響曲第4番《ロマンティック》
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「第4」はブルックナーの交響曲の入門曲と目されているだけに、古今東西のブルックナー指揮者のみならず、ブルックナーをあまり指揮しない指揮者によっても多くの録音・演奏がなされている交響曲である。
オーソドックスな名演としてはベーム&ウィーン・フィルが忘れられないし、最近では朝比奈&大阪フィルやヴァント&北ドイツ放送響(あるいはベルリン・フィルやミュンヘン・フィル)の超名演があった。
さらには、ムーティ&ベルリン・フィルの意外な指揮者による異色の名演も記憶に新しい。
そのような数々の名演を聴いた上で、やはり原点にというか、故郷に帰ってくるような感慨を覚える演奏がこのヨッフム&ベルリン・フィルによる名演だ。
本盤は奇を衒わずスケール感もある程度満足させ、さらに曲名を地で行くロマンティックな様相が魅力的だ。
決して派手さはなく、いわゆる巧言令色からは程遠い。
しかし、このような質実剛健たる愚直とも言うべきアプローチこそが、ブルックナーの「第4」に最も相応しい解釈と言うことができるだろう。
忘れてはならないのは、ベルリン・フィルが重厚でパワフルないかにもブルックナーの交響曲に不可欠の好演を行っているという点だ。
ヨッフムは、その後、ドレスデン国立歌劇場管弦楽団と再録音を行っているが、統率力にいささか綻びが見られることもあり、オーケストラの技量や録音も含めて、本盤の方を上位に置きたい。
シベリウスの交響詩《夜の騎行と日の出》は、ヨッフムとしてはきわめて珍しいレパートリーと言える。
北欧の指揮者の演奏に慣れた耳からすると、いかにもドイツ的な野暮ったさを感じるが、決して凡演というわけではなく、重厚さと繊細さを兼ね備えたなかなかの佳演である。
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