2012年11月16日
カラヤン&ベルリン・フィルのメンデルスゾーン:交響曲第3番「スコットランド」&4番「イタリア」/序曲「フィンガルの洞窟」
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1971年にベルリン、イエス・キリスト教会で録音された、カラヤン&ベルリン・フィルによる情景描写豊かなメンデルスゾーン。
「フィンガルの洞窟」は、カラヤンの生誕100年を記念して、SHM−CD化された全集にも収録されていなかったので、本盤はその意味でも貴重であるが、聴かせどころのツボを心得たカラヤンの演出巧者ぶりを窺い知ることができる名演だ。
メンデルスゾーンならではの透明感溢れるみずみずしいオーケストレーションを、これ以上は望めないほどの美麗さで歌い抜いていく。
「スコットランド」は、某評論家による批評によって不当に貶められている演奏であるが、確かに、筆者としても、クレンペラー盤を名演と評価するのに躊躇はしないが、それに匹敵する名演として、カラヤン盤も高く評価したい。
冒頭の序奏部は、クレンペラーに負けないくらいの深沈たる抒情に満ち満ちているし、主部に入ってからの心湧きたつ旋律の歌わせ方も絶妙だ。
第2楽章は確かに快速のテンポ設定であるが、それはクレンペラーと比較してのこと。
他の演奏と同様の速めのテンポで曲想を巧みに描いていく。
第3楽章はすばらしい音のドラマ。
ゆったりとしたテンポによる堂々たる重量感溢れる歩みは、実に感動的だ。
終楽章のラストでの壮大な盛り上がりも、この名演を締めくくるのに相応しい迫力だ。
「イタリア」は、決して急ぎすぎない中庸のテンポで、カラヤンならではの優雅なレガートを駆使した気品ある名演に仕上がっている。
ルビジウムカッティングによって、これらの名演をより鮮明に味わうことが出来るようになったことを喜びたい。
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