2012年11月29日

アリス=紗良・オットのリスト:超絶技巧練習曲集


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リストの超絶技巧練習曲集は、文字通り超絶的な技巧を要するとともに、ダイナミックレンジの広さやテンポの激しい変化など非常に振幅の激しい楽曲であり、弾きこなすためには卓越した技量はもちろんのこと、幅の広い豊かな表現力を要する難曲と言える。

このような難曲をデビュー曲に選んだだけでも、アリスのピアニストとしての底知れぬ才能とその器の大きさを感じざるを得ない。

第1曲や第2曲のたたみかけるような火の玉のような激しさはどうだろう。

打鍵も力強く、快速のテンポにいささかの弛緩もしない圧倒的な技量にも圧倒される。

第3曲の「風景」で、我々は漸く、アリスが女流ピア二ストであることを知ることになる。

ここの抒情は実に美しい。

有名な第4曲の「マゼッパ」は、堂々たる威厳に満ち溢れており、とても19歳のピアニストとは思えないスケールの雄大さだ。

第5曲の「鬼火」の軽快さも見事だし、第6曲の「幻影」や第8曲の「狩り」の重厚さも特筆すべきだ。

長大な第9曲の「回想」は、女流ピアニストならではの繊細な抒情が感動的だし、第11曲の「夕べの調べ」のまさに夕映えのような美しさや第12曲の「雪かき」の寂寥感の嵐にも大きく心を揺り動かされる。

ボーナストラックの「ラ・カンパネラ」も繊細さと重厚さのコントラストが見事な名演だ。

このように、アリスは、既に豊かな表現力を備えており、単なるテクニックだけのピアニストではない。

もしかしたら、我々は何十年に一人しか出てこない名ピアニストのデビュ−の時代に運良く居合わせているのかも知れないのだ。

例えば現役世代であればポリ−ニとか、故人ではリパッティとか、彼らに共通するのは、完璧なピアノ技巧と高い音楽性の両方を持ち合わせている点。

彼女もまさにこの2つ持ち合わせたピアニストであり、将来が楽しみな逸材と言えるだろう。

これからまた、どんなレパ−トリ−が聴けるのか楽しみだ。

今後のアリスの更なる成熟をあたたかく見守りたい。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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