2012年11月06日

朝比奈隆&大阪フィルのブルックナー:交響曲第5番(2001)


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朝比奈はブルックナーを得意としたが、その中でも「第8」と「第5」が大のお気に入りであった。

シカゴ交響楽団に初めて客演した際も、候補として「第8」を第一にあげ、他の指揮者(ショルティ)との兼ね合いから、「第5」になったという経緯もある。

このように、「第5」は朝比奈にとってお気に入りの曲であったにもかかわらず、「第8」と異なって録音運に恵まれなかった。

晩年になって漸く東京都交響楽団との1995年盤という推薦に値する名演も生まれたが、オーケストラの力量にいささか問題があった感は否めない。

特に、第1楽章のホルンの音のはずし方は、かなり致命的とも言えた。

同時期にシカゴ交響楽団に客演した際の映像作品も遺されているが、初日の状態のやや悪い演奏であり、これまた朝比奈のベストフォームとは言い難い(3日目の演奏が素晴らしかったとのことであるが、未だCD化されていない)。

朝比奈ファンとしては、何とか理想の「第5」を遺して欲しいと待ち望んでいた者も多いと思うが、漸くその願いが叶ったのが、死の8か月前の演奏を収録した本盤であり、これこそ朝比奈が遺した「第5」の集大成とも言うべき超名演と高く評価したい。

第1楽章の随所で見られるゲネラルパウゼは実に効果的であり、著しく遅いテンポなのにもたれるということは皆無で、重量感あふれる重厚なブルックナーサウンドが炸裂している。

それでいて随所に見られる聖フローリアンの自然を思わせるような繊細な抒情も、崇高とも言える高みに達している。

第2楽章のしたたるような弦楽の音色も美しさの極みであるし、第3楽章の武骨とも言えるような力強いスケルツォも、これぞ野人ブルックナーの真骨頂を体現した理想の演奏と言える。

終楽章のフーガは、ヴァントのように整理され尽くしたいい意味での凝縮された整然さはないものの、そのスケールの雄大さはヴァントを凌ぐと言えるだろう。

SACD化も成功しており、マルチチャンネルはないもの、十分に満足できる水準に達していると言える。

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classicalmusic at 21:49コメント(0)トラックバック(0)ブルックナー | 朝比奈 隆 

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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