2012年11月09日

朝比奈隆&大阪フィルのブルックナー:交響曲第8番(2001)


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朝比奈の死の5か月前の至高・至純の超名演である。

朝比奈のブルックナーの「第8」としては、大阪フィルを指揮した本盤、本盤の5か月前の名古屋でのライヴ盤、そして1994年盤に加えて、NHK交響楽団を指揮した1997年盤の4種の演奏がベストであると考えている。

このうち、オーケストラの力量も含めた演奏の水準の高さとしては、NHK交響楽団を指揮した1997年盤がベストであると思うが、当該盤は未だSACD化されていない。

そうなると、録音も含めたトータルの評価としては、本盤に軍配が上がるのではないかと思われる。

朝比奈のブルックナーへのアプローチは、スコアに記された音符の数々を愚直に音化していくというものであり、巧言令色とは一切無縁。

古武士のような武骨さが身上であり、しかもテンポを可能な限り動かさず、堂々たるインテンポを基調とする。

スコアの細部に拘るあまりの過度の凝縮が、楽曲全体としての矮小化を招くという悪循環に陥ることは全くなく、全体的な造型を構築した上で、鷹揚と言ってもいいような無手勝の演奏を特徴としており、それだけにスケールの雄大さは桁外れだ。

したがって、ブルックナーの交響曲の指揮としては、最適のアプローチと言えるものだろう。

それにしても、本盤の演奏は、これが死を5か月後に控えた90歳を超える老巨匠の手によるものとはとても信じられない。

前述の4大名演の中でも、名古屋でのライヴ盤に次いでテンポは速いが、それでいて荒っぽさは皆無。

オーケストラの重厚な音色、微動だにしないインテンポ(終結部など、一部アッチェレランドもみられるが、全体としてはインテンポを基調としていると言える)、絶妙な強弱設定など、どれをとっても至高・至純の高みに達していると言える。

朝比奈が、このような超名演を人生の最後に遺してくれたことは、我々にとって大いなる幸運であったと考える。

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classicalmusic at 21:34コメント(0)トラックバック(0)ブルックナー | 朝比奈 隆 

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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