2012年12月24日
ルイサダのショパン:マズルカ集(全41曲)
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吉田秀和氏に絶賛されたDG盤以来約20年ぶりの再録音。
ポーランド周辺各地方の民俗舞踊を昇華して作曲されたマズルカのうち、生前に出版された41曲を収録。
ショパンは、スケルツォ、バラード、ポロネーズ、夜想曲、エチュード、前奏曲、ワルツなど、様々な曲集を作曲した。
しかしながら、若い時代から最晩年に至るまで一環して作曲し続けてきた曲集はマズルカであり、それ故に、マズルカ集はショパンの心や魂の軌跡、変遷などと言った評され方をするのだと考える。
そんなショパンの心底に踏み込んでいく深みのある作品集だけに、ナンバーによっては初心者でも弾くことができるようなテクニック的に難しくない曲も含まれているにもかかわらず、並みのピアニストの手には負えない難しさを秘めた曲であると言えるだろう。
本盤は、ルイサダの2度目の録音とのことであるが、古今の様々なマズルカ全集の名演中、最高峰に位置づけられる超名演と評価したい。
演奏の特徴は、何と言ってもセンス満点の詩情豊かなアプローチと言える。
もちろん、旋律を抒情豊かに描いていくアプローチは他でも見られるが、ルイサダの場合は、うわべだけを取り繕ったなよなよさは皆無であり、どの曲にも一本芯の通った力強さを秘めていると言える。
第1番から第41番に向けて、ショパンが若き時代から最晩年の高みに達していくことになるが、ルイサダは各楽曲を巧みに描き分けながら、晩年の至高・至純の高峰に登りつめていく。
その変幻自在な絶妙の演奏は、前述のように詩情豊かさも相まって、もはや評価する言葉が追いつかないような高みに達していると言える。
録音も、SACDマルチチャンネルによる望み得る最高の高音質であり、ルイサダの超名演に華を添える結果となっている。
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