2012年11月14日
シューリヒトのブラームス:ドイツ・レクィエム&交響曲第4番/ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第3番(アラウ)
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シューリヒトは、数年前まではブルックナーの交響曲やブラームスの交響曲などのスタジオ録音などによって、颯爽としたインテンポを基調とする指揮者だというイメージがあった。
しかし最近アルトゥス・レーベルなどが数々のライヴ録音を発売したこともあって、劇的な演奏やロマン的な情緒を全面に打ち出した演奏をも繰り広げたりするなど、決して一筋縄ではいかない指揮者であることがわかってきた。
本盤も、シューリヒトの一筋縄ではいかない多彩な芸術を味わうことができるディスクであると言える。
「ドイツ・レクイエム」は、本盤に収められた楽曲の中では録音年代が最も古く、特に合唱に濁りが見られる点が大変残念である。
基本的な解釈は、数年前に発売されたシュトゥットガルト放送交響楽団との1959年盤(ヘンスラー)に酷似しているが、第6楽章の劇的な表現は、シューリヒトの温厚な紳士というイメージを覆すのに十分な激しさだ。
ベートーヴェンのピアノ協奏曲第3番は、録音が1959年と比較的新しいだけに録音は鮮明。
ここでのシューリヒトは、いかにもドイツ正統派の巨匠と言った趣きの堂々たるインテンポによる演奏を基調しており、若き日のアラウのピアノをしっかりとサポートしていると言える。
アラウのピアノは、後年の演奏を彷彿とさせるような堂々たるピアニズムが素晴らしい。
ブラームスの「第4」は、シューリヒト得意の曲であるが、後年の演奏(ウィーン・フィルやバイエルン放送交響楽団)と比較して、かなりドラマティックなものとなっている。
特に、終楽章のパッサカリアは、各変奏毎の描き分けを大胆に行っており、終結部の猛烈なアッチェレランドは、後年のスタジオ録音には見られないシューリヒトの内なるパッションの爆発を垣間見ることが出来て実に感動的だ。
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