2012年11月26日
ポゴレリチ&アバドのショパン:ピアノ協奏曲第2番/ポロネーズ第5番
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ピアノ協奏曲第2番もポロネーズ第5番も、いずれもそれぞれの楽曲の最高の名演の一つと高く評価したい。
ピアノ協奏曲第2番は、ショパンの若書きの協奏曲故に、演奏がイマイチだと、旋律の美しさという、曲想のうわべだけを取り繕った浅薄な演奏になりがちであるが、ポゴレリチの場合はそのような心配は御無用。
それどころか、あまりの個性的なピアノに完全にノックアウトされてしまった。
意表をつくような緩急自在のテンポ設定を駆使し、ダイナミックレンジの幅広さも尋常ではなく、抒情的な箇所の歌い方も濃厚さの極みである。
ポゴレリチの解釈は一種マニアックであり、演奏は奔放ともいえるほど感情の振幅が大きく、強い意志で推進され、決して停滞することがない。
深沈とした甘美な情感の漂う音や、テンポの設定、強弱の対照などにも独自のものがみられる。
しかしスケールは大きく堂々としており、第3楽章など、秘めやかな感情から烈しい昂まりまでを見事に表現している。
これだけの個性的な解釈を示しつつも、全体的な造型にいささかの揺らぎも見られず、ここに、ポゴレリチの天賦の才能が示されていると言える。
まさに、天才だけに可能な至芸と言える。
このような個性的な天才ピアニストをサポートする指揮者には、相当な寛容さが求められると思うが、アバドの手腕は見事で、ポゴレリチの個性的なピアノを柔軟性を持ってしっかりと支えていて、演奏全体に自由な精神が感じられる点を高く評価したい。
併録のポロネーズ第5番も、ポゴレリチならではの個性的な超名演。
力強い打鍵と、時折見られる情感豊かさのバランスが見事であり、あたかもオーケストラを指揮しているとの錯覚を起こすような重量感溢れるド迫力に、完全に圧倒されてしまった。
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