2012年11月27日
アシュケナージ&シドニー響のプロコフィエフ:交響曲第1番「古典交響曲」&第5番
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2009年10月31日、11月2日 シドニー、オペラ・ハウス、コンサート・ホールに於けるDSDレコーディング。
プロコフィエフの交響曲の中で、最も人気のある2大交響曲を収めた好企画ディスクだ。
いずれも、楽曲の魅力をダイレクトに聴き手に伝えてくれる佳演であると思う。
いわゆる個性的な表現には乏しいが、だからと言って演奏が平板ということにはならない。
アシュケナージによるプロコフィエフの見事な構築力と、オーケストラの引き締まった音色、きらびやかで機能性に満ちたプロコフィエフの音楽を聴くことができる。
「第1」も「第5」も、やや速めのテンポをとりつつ、ここぞという時の力強い迫力や、抒情的な箇所の歌い方にもいささかの不足はなく、何と言う素晴らしい曲だろうと思わせる。
こういった、楽曲の魅力を、オーソドックスな表現によって、ダイレクトに聴き手に伝えるということが、実はアシュケナージの個性と言えるのかもしれない。
シドニー交響楽団の健闘も称賛しておかなければならない。
2009年1月に首席指揮者兼アーティスティック・アドヴァイザーに就任したアシュケナージであるが、シドニー交響楽団とはますます信頼関係を深めていることがこの演奏から窺える。
エルガーやラフマニノフの交響曲・管弦楽曲集では、オーケストラの力量にいささか疑問符をつけたくなるような箇所も散見されたが、本盤の両曲の演奏を聴く限りにおいては、そのような不安は微塵も感じられなかった。
これは、アシュケナージ&シドニー交響楽団のコンビが軌道に乗ってきたことを表す証左であり、その後録音される他の交響曲やピアノ協奏曲にも大いに期待を持てるものだった。
SACDによる極上の高音質も素晴らしいの一言であり、エクストンも、漸く、このコンビの録音会場であるシドニー・オペラハウスでのベストのマイクポイントを会得したのではないかとも感じた。
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