2012年11月26日

ポゴレリチのリスト:ピアノ・ソナタ /スクリャービン:ピアノ・ソナタ第2番<幻想ソナタ>


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リストのピアノ・ソナタを弾きこなすことは、あらゆるピアニストの一つの大きな目標。

この世のものとは思えない超絶的なテクニックを要するとともに、各場面の変転の激しさ故に、楽曲全体を一つのソナタに纏め上げるのが至難の業であるという点において、海千山千のピアニストに、容易に登頂を許さない厳しさがあると言えよう。

そうした難曲だけに、天才ピアニストであるポゴレリチがどのようなアプローチを見せるのか、聴く前は興味津々であったが、その期待を決して裏切らない超個性的な名演であった。

演奏の特徴を一言で言えば、表現の振幅がきわめて激しいこと。

最弱音から最強音まで、これほどまでにダイナミックレンジの広い演奏は、他の名演でも例はあまりないのではなかろうか。

テンポ設定も自由奔放とも評すべき緩急自在さ。

ただでさえ、各場面の変転が激しいのに、ポゴレリチは、うまく纏めようという姿勢は薬にしたくもなく、強弱やテンポの緩急を極端にまで強調している。

それ故に、全体の演奏時間も、同曲としては遅めの部類に入る33分強もかかっているが、それでいて間延びすることはいささかもなく、常に緊張感を孕んだ音のドラマが展開する。

このソナタは途方もなく底が深いが、それを表出させてしまうポゴレリチの音楽性と技術も凄い。

ともかく、この演奏は、この難曲の演奏の可能性を開拓した素晴らしいもので、激情と繊細が同居している。

これは、まさに天才の至芸であり、ポゴレリチとしても会心の名演と言っても過言ではあるまい。

併録のスクリャービンも、力強さと繊細な抒情を巧みに織り交ぜたポゴレリチならではの名演だ。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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