2012年11月28日
プレートル&ウィーン・フィルのニューイヤー・コンサート2010
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毎年行われているニューイヤー・コンサートの中で、名演と称されるのは、かつてのクレメンス・クラウスは別格として、1987年のカラヤンと、1989年及び1992年のクライバーであると考えているが、今般のプレートルの2度目のコンサートは、これまでの名コンサートに匹敵する超名演であると高く評価したい。
そもそも選曲のセンスの良さに感心させられるばかりだ。
様々な見方もあろうとは思うが、第5曲目のワルツ「酒・女・歌」が全体を通じたテーマと言えるのではないか。
酒(シャンパン)や女性、そして歌こそが生きていく上の最大の活力。
プレートルは85歳の老齢ではあるが、そのような老いの影など微塵も感じられない。
どの曲にも、プレートルの溢れんばかりの力強い活力が漲っている。
それでいて、ウィンナ・ワルツとフランスのエスプリが絶妙にコラボレーションした雰囲気豊かな高貴な優美さ。
初登場の「ライン川の水の精」など、他の指揮者が演奏すれば、とてもニューイヤー・コンサートで採り上げるのもはばかるような演奏に陥る可能性もあるが、プレートルの手にかかると、そのような違和感を全く感じさせないのだから、その高踏的な至芸がいかに凄いものかがわかろうというものだ。
また、有名な「美しき青きドナウ」をこれほどまでに思い入れたっぷりに演奏した例は他にあったであろうか。
ウィーン・フィルも、雰囲気豊かな実に美しい音色を出しており、巨匠プレートルとの抜群の相性の良さを感じさせる。
前述のように、ニューイヤー・コンサートはカラヤンとクライバー以降、凡演が続き、中には1曲聴くのも億劫なほどつまらない演奏も少なくなかったのだが、プレートルの名演によって、長年の渇きが癒された思いである。
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