2012年12月04日
ガヴリリュク&アシュケナージのプロコフィエフ:ピアノ協奏曲第3番&第5番
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既に発売されたピアノ協奏曲第1、2、4番も名演であったが、本盤も類稀なる名演だ。
何よりも、プロコフィエフを知り尽くしたアシュケナージがバックをつとめている点が大きい。
ピアニストとして既にプロコフィエフのピアノ協奏曲全集を録音しているアシュケナージにしてみれば、同協奏曲は自家薬籠中の作品と言っても過言ではないのだろう。
「第3」の冒頭の独特の開始部からして、他の演奏とは次元が異なるような抒情に満ち溢れている。
このロシア的な抒情と20世紀的なモダニズムが高次元で融合した傑作を、アシュケナージは確かなタクトで精緻に描き出していく。
この豪華なバックに支えられて、若き才能豊かな気鋭ピアニストのガヴリリュクは、最高のピアニズムを展開している。
唖然とするようなテクニックの下、強靭な打鍵と情感溢れる優美さのコントラストが抜群である。
まさに、指揮者とピアニストの最高の競演がここにあると言えるだろう。
アルゲリッチ&アバド盤もとても良かったが、ガヴリリュク&アシュケナージによる本盤の方が、リズム及び演奏の精度とキレ、ソロとオーケストラのグルーブ感が高いように感じる。
「第5」も、「第3」に匹敵するような名演に仕上がっていると言える。
SACDによる高音質録音も素晴らしい。
シドニー・オペラハウスコンサートホールの録音ポイントを、トリトーンも漸く掌握したと言えるのではかなろうか。
エルガーやラフマニノフの交響曲ではイマイチだった音質も、ここではいささかの不満を抱かせないようなハイレベルの高音質録音に仕上がっている。
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