2012年12月05日

ジンマンのマーラー:交響曲第10番[カーペンター版]


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ジンマン&チューリヒ・トーンハレ管弦楽団によるマーラーチクルスも、本盤の登場によって完成した。

ジンマンが、第10番をどう採り上げるのか大変興味を持っていたが、アダージョだけでなく全曲版を採り上げ、しかも版の採用に当たっては、一般的なクック版ではなく、何とカーペンター版を採用したのには、さすがに驚いた。

これまでのマーラー指揮者では、直弟子であるワルターやクレンペラーは当然のこととして、バーンスタインやテンシュテット、ベルティーニ、ブーレーズ、シノーポリなど、「第10」についてはアダージョのみという指揮者が多い。

「第10」をクック版により演奏した指揮者も、インバルやラトル、シャイーなど、少なからず存在しているが、マーラーの交響曲全集完成者で、カーペンター版を採用した指揮者は、おそらくはこれが初めてではないだろうか。

こうした点に、ジンマンの同曲への深い拘りが感じられて興味深い。

クック版と比較して、ティンパニを効果的に活用するなど、オーケストレーションがより華麗なものになっており、私見ではあるが、ブルックナーで言えば、「第7」におけるハース版とノヴァーク版のような関係にあると言えるかもしれない。

ジンマンのアプローチは、良い意味でのオーソドックスなもので、カーペンター版の華麗なオーケストレーションを実にコクのある内容豊かな表現で、面白く聴かせてくれるのが素晴らしい。

何よりジンマンの自筆譜研究によるマーラー指揮の第一人者という立場としての解釈はさすがで、演奏・録音共になかなかなされず指揮者・演奏者が慣れていない中、よくこの名演を成し遂げたと思う。

モリス版のLP以降30年以上この交響曲の5楽章版を何種類も聴いてきたが、クック版以外で繰り返し聴いてみたくなったのは、ロペス=コボス&シンシナティ響が演奏するマゼッティ第2版以来久しぶりの出来事だ。

SACDマルチチャンネルによる極上の高音質録音も、本名演の価値を高めるのに大きく貢献していると言える。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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