2012年12月11日
フルトヴェングラー・コンプリート RIAS レコーディングズ
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戦後のフルトヴェングラーとベルリン・フィルの名演の数々を、少なくとも一般人が簡単に入手できる優れたBOXだと思う。
価格と音の良さと演奏の素晴らしさを考えてみてもこれは素晴らしいBOXだ。
いずれも様々なレーベルから何度もプレスを繰り返して発売されてきた定評ある名演が収録されているが、本BOXの売りは信じられないような音質の良さということになるであろう。
いずれの演奏も、音質の向上が目覚ましいが、とりわけ、CD1のフルトヴェングラー復帰コンサートのベートーヴェンの「第5」と、CD12の、フルトヴェングラーの死の年のベートーヴェンの「第6」と「第5」が著しい。
フルトヴェングラー復帰コンサートの「第5」は、これまで名演と高く評価されてきた、その2日後の演奏がどうにもならないような劣悪な音質だっだだけに、本盤は比較にもならないような信じがたいような高音質で、こうなってくると、本演奏こそ、まぎれもなく、あらゆるフルトヴェングラーのベートーヴェンの「第5」の演奏中、最高の名演と高く評価しなくてはなるまい。
それと比較すると、死の年の「第5」は、いわゆるフルトヴェングラーならではの踏み外しは少ないが、深沈たる深みにおいては、こちらの方にむしろ軍配をあげたい。
「第6」も、フルトヴェングラー向きの楽曲とは言えないと思っていたが、これだけ音質がいいと、そうしたこれまでの考え方を是正したくもなってくる。
その他の演奏では、シューベルトの「第9」が、フルトヴェングラーならではの熱気に溢れた名演で、音質向上効果も抜群のものがある。
その他の演奏も、いずれ劣らぬ名演が繰り広げられており、音質が悪いが故に、フルトヴェングラーを敬遠してきた人の認識を改めさせるのに十分な、素晴らしいBOXであると高く評価したい。
フルトヴェングラー入門者には、バラバラで安いEMIやDGのライヴの廉価盤を集めるよりは、このBOXから購入することを強くお薦めしたい。
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