2012年12月14日
イストミンのシューマン:ピアノ協奏曲(ワルター)/ショパン:ピアノ協奏曲第2番(オーマンディ)
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シューマンのピアノ協奏曲は、ベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番「皇帝」に対して、ピアノ協奏曲の女王と呼ばれているが、そうした呼び名に相応しいワルターならではの名演だ。
シューマンは、指揮者ワルターにとって唯一の録音であるが、彼もピアノのイストミンも情熱たっぷりに聴かせ、ドラマティックに仕上げている。
さすがにワルター色が濃厚で、新鮮で若々しく、明るく直線的で、きびきびした進行の中に香りと品格を生かそうとしている。
第1楽章は決然とした力強さで開始されるが、主部のヒューマニティ溢れる情感豊かさは、抒情的で実に感動的だ。
第2楽章も、気品の高いロマン的抒情が溢れ出ている。
そして、終楽章は、これまでの楽章とは一転して、重量感溢れる力強い迫力で全曲を締めくくっている。
決して有名とは言えない米国出身のピアニストであるイストミンも、ワルターの巨匠の棒に見事についていっており、コロンビア交響楽団も最高のパフォーマンスを示していると言える。
ショパンのピアノ協奏曲第2番も名演。
こちらは、オーマンディの指揮であるが、ショパンの抒情溢れる詩情を全面に打ち出すというよりは、シンフォニックな重厚さを全面に打ち出した演奏と言える。
若書きで必ずしも成熟した作品とは言い切れない同曲を、スケール雄大な一大交響曲作品のように仕立て上げた点は、まさに巨匠ならではの円熟の至芸と言えよう。
イストミンもオーマンディの指揮に見事に合わせており、フィラデルフィア管弦楽団の明るいサウンドを得て、イストミンは自在に歌いあげている。
DSDリマスタリングは、ややきつめの硬い音質で、全体的にイマイチの音質の感じがした。
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