2012年12月17日

ハイティンク&シカゴ響のR.シュトラウス:英雄の生涯、他


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同じR・シュトラウス作曲による「アルプス交響曲」は凡演であっただけに、「英雄の生涯」の出来を心配したが、それは杞憂であった。

ライナーとシカゴ交響楽団の不滅の演奏から56年、新たな名盤が誕生した。

いかにも晩年のハイティンクならではの大変美しい名演であると高く評価したい。

「英雄の生涯」と言えば、カラヤンの豪演のイメージがあまりにも強く、かの超名演と比較するとどの演奏を持ってきても物足りなく感じるが、それはあまりにも不幸。

筆者としても、カラヤンの演奏を名演と評価するににやぶさかではないが、カラヤンのアプローチだけが必ずしも正しいわけではない。

ハイティンクのような、繊細で暖かく時に激しく音の洪水に身を任せられる、決してわめくことはない穏やかで美しいアプローチも十分に説得力があると考える。

一番の聴き所はコンサート・マスターのロバート・チェンの緻密な表現とハイティンクの静かな伴奏だ。

もちろん、中間部の戦闘の箇所における力強さにも、いささかの物足りなさを感じることはなく、硬軟併せ持つバランスのとれた名演と言える。

常に音楽に誠実に取り組むハイティンクの美点がたくさんあって終曲後、しばし幸福感に浸れる。

ドレスデン国立管弦楽団との演奏はメリハリがあり感動的であったが、こちらの演奏はゆっくりとしたテンポに端正に作られた演奏が感動的だ。

そして、何よりも素晴らしいのはシカゴ交響楽団の卓抜した技量と、それを完璧に捉えきったSACDマルチチャンネルによる極上の高音質。

こうした録音面をも加味すれば、過去の「英雄の生涯」の名盤の中でも上位に置かれると言っても過言ではないだろう。

併録のヴェーベルンの「夏風のなかで」も、各場面の描き分けを巧みに行った秀演。

録音も素晴らしく、こちらについては、過去の様々な名盤の中でも最上位に置かれる名盤ということができるのではないか。

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classicalmusic at 21:56コメント(3)トラックバック(0)R・シュトラウス | ハイティンク 

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コメント一覧

1. Posted by Kasshini   2015年04月23日 12:25
夏風の中で、今まさに聴いています。吉田秀和氏が推薦していたシノーポリ指揮シュターツカペレ・ドレスデンで聴いています。ドイツが世界に誇る哲人政治家故ヴァイツゼッカー氏はヴェーベルン好きで入門でこの曲を取り上げたそうですね。この曲最初の強い不協和音がフルートで奏でられるところは、第2カンタータと酷似していることにも驚きました。グレの歌第1部を凝縮させてよりメロディアスに、この時代特有の濃厚さと爽やかを両立しているところが好きです。ブーレーズ新盤全集を聴いてようやく気づきましたが、師シェーンベルク以上に調性の良さを知っていたのではないでしょうか。また少し下のコルンゴルト以下映画音楽の大家に劣らない抒情性があるように思えてきます。
youtubeでしか見かけませんが、マリス・ヤンソンス指揮ヴィーンフィルの演奏は、音色の美しさ、歌い方、、この曲が持つ優しさにフォーカスしているようで、好ましく感じました。あるわけがありませんがクリップス、クラウスで聴いてみたかったですね。
https://www.youtube.com/watch?v=fGwaQcVgjvA
こちらの演奏は、比べるとどんな感じでしょうか。
私が暮らす首都圏は新緑真っ盛りで、この曲が似合う季節となりました。
2. Posted by 和田   2015年05月04日 22:12
私のヴェーベルン観は、最近このブログにエントリーした「ヴェーベルン出版作品全集」に譲ります。http://classicalmusic.livedoor.biz/archives/54135777.html
当セットは、ブーレーズ&ロンドン響を中心としたほぼ万全の演奏者たちによる、ヴェーベルンのほとんどの作品を網羅しており、満足のいくセットだと思います。
3. Posted by Kasshini   2015年05月13日 15:31
そちらのセットは、ヴェーベルンのシューベルト ドイツ舞曲の編曲の自演が気になるので、余裕があれば買おうと思います。音源視聴できないので、勇気が要りますね。

ハイティンクのこの盤は木管の音色が好みと違っていて、SACDを聴ける環境でないと真価がわかりそうになく、じっくりと聴こうと思います。

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Profile

classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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