2012年12月27日

ルプーのブラームス:ピアノ・ソナタ第3番、主題と変奏


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1981年に録音されたルプーのブラームスで、「主題と変奏」は弦楽六重奏曲第1番第2楽章のピアノ独奏版である。

いずれもブラームスの若書きの作品であり、後年の傑作ピアノ作品と比較すると、いささか水準が劣る作品とも言える。

それ故に、録音の点数も限られているが、その中でも、このルプー盤は、知られざる作品の価値を高めることに大きく貢献する最高の名演の一つと言っても過言ではないのではなかろうか。

ピアノ・ソナタ第3番という、若きブラームスの青雲の志を描いた作品を、これまた若きルプーによる生命力溢れるピアニズムが見事に表現し尽くしていると言えるだろう。

まさに作曲者の作曲年代と演奏者の演奏年齢の見事なマッチング。

ブラームス初期の3つのソナタのうち、規模が大きく5楽章という変則形式のソナタを、ルプーが豊かな感受性で、晦渋さの残るこの大曲を見事にまとめあげている。

「千人に一人のリリシスト」と呼ばれるルプーだけに、抒情的な箇所の美しさは、他のピアニストを一切寄せ付けない至高・至純の境地に達しているが、それでいて、第3楽章や第5楽章などについても、若きルプーならではの勢いのある前進性、力強さにも不足はなく、その意味においては、各場面の描き分けを巧みに行ったバランスのとれた名演と言える。

特に極めてセンシティヴに弾きあげた第3楽章は魅力的だ。

他方、ルプーの美質が生きた「主題と変奏」も聴きもので、力強い打鍵の下、峻厳な表情を見せる。

リリシストたるルプーの異なった一面を垣間見せる異色の名演と言えるだろう。

SHM−CD化によって、通常CDよりかなり音質に力強さと鮮明さが加わったところであり、価格は少々高いとは思うが、音質については十分に合格点を与えることができる。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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