2012年12月29日
イヴァン・フィッシャー&ブダペスト祝祭管のラフマニノフ:交響曲第2番、ヴォカリーズ
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ラフマニノフの交響曲第2番は、今や最もポピュラーな交響曲の一つだろう。
現代の有名な指揮者の殆どが、同曲の録音を残している。
その演奏の傾向は、私見ではあるが、大きく2つに分かれると考えている。
一つは、ロシア音楽であることを重視し、ロシア風のアクの強い民族色豊かな演奏。
もう一つは、20世紀初頭の音楽であることを意識した洗練された演奏。
前者については、スヴェトラーノフやゲルギエフの新盤などに名演があり、後者には、デュトワの名演がある。
そして、これらの中間に位置する折衷型の名演が、この交響曲を一躍有名にすることに大きく貢献したプレヴィンということになるのではなかろうか。
本盤のフィッシャーの演奏は、この折衷型のプレヴィンの演奏の系統に連なる名演であると考える。
第1楽章など、実に洗練した表情で開始されるが、ここぞという時の力強い迫力は、ロシアの悠久の大地を思わせる。
第2楽章の終結部の金管楽器の響かせ方も初めて聴くような新鮮なものであるし、第3楽章の中間部のゲネラルパウゼも実に個性的だ。
ただ、オーケストラの音自体はいささか細く、もう少し量感はほしかったとは思うが、とはいえ、大変優秀な成果であることは疑いない。
併録の「ヴォカリーズ」は、ラフマニノフならではの美しい旋律をさらに磨き抜いた極上の美演。
SACDマルチチャンネルによる極上の高音質は、指揮台上で聴こえる音で録音してほしいとの指揮者のリクエスト通りの生々しい音質であり、本盤の名演の価値をより一層高めることに大きく貢献している。
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