2013年01月27日
小澤&サイトウ・キネンのブラームス:交響曲第2番/ラヴェル:シェエラザード&道化師の朝の歌
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最近では健康状態が思わしくなく、食道がんの摘出、腰痛、肺炎などによって、ファンをやきもきさせている小澤征爾による、休業宣言する前の待望の新録音であるが、70歳を超えた指揮者ならではの完熟の名演と高く評価したい。
メインのブラームスの前に、ラヴェルの小曲が2曲収められているが、フランス音楽は小澤が若い時代から得意としていただけに、ここでも至高の名演を成し遂げている。
「道化師の朝の歌」は、とても健康状態が思わしくない70歳の指揮者とは思えないリズミカルな進行と、随所に感じられるフランス風のエスプリが満載の非のうちどころのない名演であるし、「シェエラザード」も、同曲のもつ繊細な味わいがこの上もなく透徹して表現されている。
グラハムのメゾソプラノの独唱との相性も抜群だ。
ブラームスの「第2」は、いわゆる純音楽的な名演だ。
小澤のドイツ音楽については、特に大御所とも称される音楽評論家には、薄味であるとか浅薄などとして著しく評判が悪いが、本盤の演奏に関しては、浅薄さは皆無。
個性的と言える箇所は皆無ではあるが、その分、ブラームスの音楽を心ゆくまで深い呼吸で味わうことができる点を高く評価したい。
筆者としては、小澤氏には是非とも病気を克服されて、かのテンシュテットのように復活して、将来さらなる凄みを増した演奏に出会えることを強く望みたい。
そして、さらに評価したいのは、SACDのシングルレイヤーによる超高音質録音だ。
ユニバーサルが、SACDの発売を再開したのは、本年度最高のニュースであるが、これまで発売されたSACDは、いずれも既にSACDとして発売された再発売ものに限られていた。
本盤は、ユニバーサルにとっても、久々のSACDの新録音ということになるが、それだけに、鮮明さ、ダイナミックレンジの広さなど、どれをとっても、最高水準の録音に仕上がっている。
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