2013年01月04日

ティルソン・トーマスのマーラー:歌曲集


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ティルソン・トーマスによるマーラーの交響曲全集は、先日紹介した「第8」を持って終了したものと思っていた。

その「第8」は至高の超名演であり、過去の「第8」の名演の中でもトップの座を争うものであっただけに、なおさらのこと、チクルスの有終の美を飾るものと考えたのであった。

しかしながら、本盤も、「第8」に優るとも劣らぬ名演であり、その意味では、本盤こそ正真正銘の、チクルスの有終の美を飾る至高・至純の超名演と言えるだろう。

ティルソン・トーマスのマーラーは、オーケストラを無理なく鳴らし、いささかの嫌みもあざとさもなく、マーラーがスコアに記した音符を、いささかも無機的に陥らず、内容豊かに表現している点が素晴らしい。

このように記すと、現在チクルスが進行中のマーツァルのアプローチと似通った点があるのかもしれない。

両者の違いは、私見ではあるが、マーツァルが、マーラーをボヘミア出身の作曲家として捉え、チェコ・フィルとともにいささかローカルな味わいを見せることがあるのに対して、ティルソン・トーマスは、あくまでも21世紀の新しいマーラー像を指向している点にあるのではないかと考える。

歌手陣もいずれも素晴らしい。

最も良いのはハンプソンの歌う『角笛』からの5曲で、劇的な表情が曲に合っている。

彼はオーケストラ伴奏での『角笛』歌曲集の録音はなかったので、できれば全曲録音してほしかったところだ。

『さすらう若人の歌』は、かのバーンスタインとウィーン・フィル以来の録音。

こちらは細やかな表情で歌っているが、室内楽的で精妙な伴奏はこれまでのシリーズ通り。

第2曲、第4曲の終わりで一瞬にして明から暗に転じる和声の変化の捉え方は見事だ。

『リュッケルト歌曲集』に於けるグラハムの大柄な歌も決して悪くない。

SACDマルチチャンネルによる極上の高音質も、本盤の価値を大いに高めるのに貢献している。

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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