2013年01月09日
ベロフのドビュッシー:ピアノ名曲集
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腕を故障(現在はカムバックした)する前の、ベロフ若き日の先鋭なドビュッシー。
べロフは、天性のドビュッシー演奏家だと思う。
本盤も、そうしたドビュッシー演奏家としての面目躍如たる素晴らしい名演と高く評価したい。
べロフのドビュッシーは、例えばギーゼキングのような即物的なアプローチをしているわけではない。
フランソワのように、個性的なアプローチを示してくれるわけでもない。
あるいは、ミケランジェリのように、切れ味鋭いタッチを披露してくれるわけでもない。
こうしたドビュッシーを得意とした個性的な先人たちと比較すると、オーソドックスとも言えるアプローチを行っていると言える。
それでいて、これぞドビュッシーとも言うべき独特の深みのある芸術を構築してくれるのだから、現代におけるべロフのドビュッシー演奏家としての確固たる位置づけが十分に伺い知ることができる。
オーソドックスと表現したが、それは没個性的という意味ではない。
有名な「月の光」や「夢」などにおける情感溢れる抒情的表情や、舞曲におけるリズミカルな力強い打鍵など、表現の幅の広さも見事であり、随所に漂うフランス風のエスプリは、全体的な音楽の深みと相まって、まさに、べロフだけが描出できる至高・至純の境地に達していると言えるだろう。
昔からフランスのピアニストはシューマンやベートーヴェンを弾くとうまい人が多いが(例えばイヴ・ナット)、ベロフにも期待したい。
録音も、もともと鮮明な音質であったが、今般のBlu-spec-CD化によって、さらに鮮明な音質に蘇った。
べロフの芸術的なピアノをこのように鮮明な音質で味わうことができることを大いに喜びたい。
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