2013年01月08日
内田光子のシューマン:ダヴィッド同盟舞曲集、幻想曲ハ長調
この記事をお読みになる前に、人気ブログランキングへワンクリックお願いします。
いかにも近年の内田光子ならではの深みのある名演だ。
シューマンのピアノ曲は、いずれも名作揃いだとは思うが、同時代のショパンなどとは異なり、アプローチの仕方によってはやたら理屈っぽい演奏になりがちである。
いずれも詩情に満ち溢れた作品ではあるのだが、組曲やソナタなど、比較的規模の大きい作品が多いだけに、全体の統一性など、どうしてもそれに捕われて、詩情を失ってしまいがちなことがその要因と言えるのかもしれない。
しかしながら、内田光子にはそのような心配は御無用。
全体として、前述のように曲の本質を深彫していくような深遠な表現を心がけてはいるが、シューマン特有の詩情豊かさにもいささかの不足はない。
特に、「ダヴィッド同盟舞曲集」にような作品集では、各曲の性格を巧みに描き分け、緩急自在のテンポを駆使して、これ以上は求められないような高次元の表現を成し遂げている。
「幻想曲ハ長調」は、まさに内田光子の独壇場。
これほど深みがあって、しかも情感豊かな演奏は、今や大ピアニストとなった内田光子にしかできない至高・至純の境地に達していると言える。
本盤は、内田光子にとっても、15年ぶりのシューマンとのことであるが、他のシューマンのピアノ曲も、内田光子の演奏で是非とも聴きたいものだ。
ここで辛口の一言を言わせてもらいたい。
いつぞやのグラミー賞が発表された時、日本では「ビーズの松本」だけ。
ニューヨークタイムズやロイター通信よく見てみなさい。
どこも「Mitsuko Uchida」ですよ。
日本のマスコミは無教養、大衆も無知下品、芸術とは無縁の人達といえよう。
ところで、クラシック音楽情報ならこちらがオススメです。
人気ブログランキング
フルトヴェングラーのCDなら、 フルトヴェングラー鑑賞室。