2013年01月18日
朝比奈隆&大阪フィルのベートーヴェン:交響曲全集(2000)
この記事をお読みになる前に、人気ブログランキングへワンクリックお願いします。
20世紀を代表する指揮者、朝比奈隆の晩年の雄姿である。
このところ、ベーレンライター版の全集を聴いて、久しぶりにこの朝比奈の最後の全集に戻ってきたのだが、いや、やはり素晴らしい。
新全集の場合、編成と楽器のバランスで内部のテクスチャーを明解に表出しているのだが、朝比奈の場合、その逆である。
楽器のバランスはいじらないが、全てをしっかり吹き、弾くことでほぼ同じことが出来ることを証明して見せている。
さらに、素晴らしいことにフルオーケストラが全力でやるものだから、そのスケールの大きさ、分厚さと言ったら比類がなく、このベートーヴェンを知っている海外のファンが少ないのは全く残念としか言いようがない。
カラヤン、ベーム、ショルティ、バーンスタイン等、大物による全集数あれど、これほどオケは鳴っていない。
ベルリンもウィーンもロンドンもシカゴも、朝比奈が振る日本のオケと較べると、余程スケールが小さく聴こえる。
もう初期の1番と2番が、本場の海外オケのやる「エロイカ」を上回るスケールで鳴ってくれる。
朝比奈のこういう資質に唯一合わないのが、8番だと思うが、残りは文句なしである。
演奏は定評のある名演だが、筆者が評価したいのは、オクタヴィアがこの名演をSACDで、しかも格安で発売したこと。
最近では、大手レコード会社がSACDから撤退し、SHM-CDのような中途半端なものに流れている。
そんな風潮の中、オクタヴィアも迷ったと思うのだが、SACDで発売という良識ある判断に至ったことを高く評価したい。
このように商業主義ではなく芸術至上主義のメーカーが我が国にあることを誇りとしたい。
ところで、クラシック音楽情報ならこちらがオススメです。
人気ブログランキング
フルトヴェングラーのCDなら、 フルトヴェングラー鑑賞室。