2013年01月17日
カルミナSQのバルトーク:弦楽四重奏曲第1番&第2番
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久々にしびれる新録音を聴いた。
バルトークの弦楽四重奏曲はベートーヴェン以降に作曲された弦楽四重奏曲の中でも最高峰に位置するものと考えているが、それだけに、現在の四重奏団にとっては欠かせないレパートリーとなりつつある。
そんな中で、満を持してカルミナSQが録音したバルトークは、高度な演奏技術を土台にしながらも、随所に繊細さも併せ持つ名演となった。
カルミナSQが20世紀に出したCDとは比較にならない完成度であり、20世紀音楽を高密度で聴かせてくれる。
バルトークの作品は現代の四重奏団の必須楽曲であり、それを想像以上の水準でクリア、新ヴィーン学派と並ぶ高密度の現代音楽を壮絶に聴かせてくれて、ハイテンションの世界を楽しめた。
また、この録音に臨み、バルトーク演奏には重要な人物といえるシャンドール・ヴェーグからも作品について様々な事を学び、演奏に生かしているのが素晴らしい。
そして、カルミナSQは個々の音の表現力を限界まで追求しようとするスタンスでバルトークにも取り組んでいる。
国際基準の様式を崩してでも、音の表現に拘る。
結果、西洋音楽の伝統的な拍子感では説明の付かない、複雑な拍の揺らぎが音になって出てくる。
機械的ではない、身体感覚的な拍の処理。
バルトークが指定する拍の複雑な事情を、彼らなりに見事に再現し、西洋音楽的とも民俗音楽的とも異なる「身体感覚としての音楽」を触知することに成功している。
バルトークの持つ独特な拍子の性質が、彼らなりの方法で再現されているところに筆者は強く惹かれる。
このような視点の音楽をやらせると、カルミナSQは現代最高のカルテットに間違いないだろう。
この名演をSACDで発売したデンオンにも拍手!
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