2013年02月21日
バーンスタイン&イスラエル・フィルのマーラー:交響曲第9番(1985年ライヴ)
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1985年8月25日 テルアビブ、マン・オーディトリアムに於けるライヴ録音。
1985年に、バーンスタインがイスラエル・フィルとともに来日した時のこの曲の演奏は、今でも語り草になるほどの名演だったのは有名。
これは、日本公演直前にライヴ録音されたもので、ここでも、バーンスタインは、激しくのめり込むような情熱的な表現で、耽美的な旋律を心ゆくまで歌わせており、この曲のもつ悲哀感と諦観とを、てんめんと表出した、実に感動的な名演奏である。
この曲はマーラーの最高傑作に属するが、複雑な表現を持つだけに、指揮者にとっては非常な難曲である。
一流の技を持つマエストロだけが、レコードに録音しているのも不思議ではない。
そのためか既発売のレコードは名演奏ぞろいであるが、バーンスタインの新盤は、それらを越えてそのユニークな性格を誇り得るものである。
バーンスタインも相応の覚悟がおそらくあったのだろう、ここでの彼は文字通り“マーラーの化身”そのもの。
たとえば、第3楽章のほとんど鬼気迫るようなエンディングはどうだろう。
すべてを大きく収斂する、フィナーレの無限の深さも言語に絶するほど。
辛口の批評で知られる許光俊氏も来日公演を聴いて、「実際、あれ以後、この曲でそれ以上の演奏は聴いていません。期待もしていないほどです。あまりに強烈すぎて、あれ以上のは、バーンスタイン自身が蘇らない限りあり得ないことと思われます。」とコメントしている。
筆者は当時まだ若過ぎて地方在住ということもあって実演を聴けなかったので、来日公演に接した聴衆に激しい嫉妬の念を禁じ得ない。
この音源はその来日公演のものではなく、テルアビブでのライヴであり、オケの力量、音質ともに同年に録音されたコンセルトヘボウ盤の完成度の高さには及ばないが、マーラー・ファン、バーンスタイン・ファンにとって聴き逃せぬディスクであることは間違いない。
まさにマーラーの演奏史を語るのに欠かせない記念碑的なディスクといえよう。
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