2013年01月28日
カラヤン&ベルリン・フィルのモーツァルト:アイネ・クライネ・ナハトムジーク/ディヴェルティメント第15番 K.287
この記事をお読みになる前に、人気ブログランキングへワンクリックお願いします。
最晩年のカラヤンによる重厚にして華麗なモーツァルトである。
古楽器演奏や奏法が一般的になりつつある中で、このようなモーツァルトを時代遅れとしてけなすことは簡単ではある。
しかしながら、新譜CDが激減し、クラシック音楽界に不況の嵐が吹き荒れている現代においては、カラヤンのような世紀の大巨匠が、セレナードやディヴェルティメントというモーツァルトとしては一流の芸術作品とは必ずしも言えない軽快な曲を、ベルリン・フィルのような大オーケストラを使って大真面目に演奏をしていたという、クラシック音楽界のいわゆる古き良き時代(それを批判する意見も十分に承知しているが)が少々懐かしく思われるのもまた事実である。
演奏内容はカラヤンらしいモーツァルトで、ザルツブルクの生んだ20世紀の類稀な才能が、偉大なる先輩モーツァルトの音楽を根底から変えた、そのような印象を与える演奏だ。
ベルリン・フィルの精鋭たちによる演奏で、比較的速いテンポで磨き抜かれた響きをいかにもすっきりと流麗な表現で生かしている。
その精妙で生彩にとんだ表現と各奏者の親密で自発的な呼応という点も申し分ない。
K.287は分厚くシンフォニックで、娯楽音楽としての「ディヴェルティメント」というより、むしろ小型の交響曲でも聴いているようであり、きわめて重厚でシンフォニックな響きで貫かれている。
「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」も同様に、美しくも粘りのある重厚な演奏。
このディスクではむしろ、ベルリン・フィルの弦の精緻な合奏力の凄さに注目すべきで、そのアンサンブルの精緻さと、艶のある音色の美しさには圧倒される。
ところで、クラシック音楽情報ならこちらがオススメです。
人気ブログランキング
フルトヴェングラーのCDなら、 フルトヴェングラー鑑賞室。