2014年11月05日
グリモー&ロペス=コボスのラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番/ラヴェル:ピアノ協奏曲
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詩情溢れるラフマニノフと切れ味の良いラヴェル。
若きグリモーの才気が横溢する協奏曲集である。
充実の活動を続けるフランスの中堅ピアニスト、エレーヌ・グリモーが、そのキャリアの初めにDENONに残した協奏曲集。
若さよりもむしろ内向的で音楽そのものを優先する演奏姿勢が、その後の彼女の活躍を約束するかのようだ。
グリモーは超絶的な技巧を全面に打ち出すピアニストではない。
もちろん、高度な技量は持ち合わせているのだろうが、むしろ、女流ピアニストならではの繊細さとか、フランス人のピアニストならではの瀟洒なエスプリに満ち溢れているだとか、高貴な優美さと言った表現がふさわしいピアニストであると考えている。
本盤は、グリモーの23歳の時の録音で、現在のグリモーのような円熟からはほど遠いとは思うが、若さ故の勢いで演奏するのではなく、前述のようなグリモーならではの個性の萌芽が垣間見られるのが素晴らしいと思う。
後年の再録音盤(ラヴェルはジンマン&ボルチモア響、ラフマニノフはアシュケナージ&フィルハーモニア管)も所持しているが未だに何故か当盤の方を手に取ってしまう。
確かに当盤では「途上まだしも」の感は否めないが、多少の瑕疵を理由に捨て置くにはあまりに惜しいのではないか。
ソツ無く御行儀の良い演奏もそれなりに良いとは思うが、許容範囲のキズであれば少々荒削りであっても清々しくてイキのいい演奏を筆者は好む。
ロペス=コボスの指揮は、音質によるのかもしれないが、グリモーのピアノとは正反対の荒削りで激しいものである。
しかし、このアンバランスさが、かえってグリモーの演奏の性格を浮き彫りにするのに大きく貢献しているという点については、特筆すべきであろう。
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