2013年01月29日
ショルティ&ウィーン・フィルのR.シュトラウス:交響詩「英雄の生涯」
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ショルティとウィーン・フィルは、決して相性のよいコンビでなかったと聞く。
確かに音楽性は相反する感じなので、反目することがあったのは当然と思える。
しかし、ショルティとウィーン・フィルの残した演奏には、両者の長所が融合し合った幸せな音楽の瞬間が多々あり、この『英雄の生涯』もその一つで、剛毅さ・艶麗さ・凄絶さ・そして黄昏の美といったこの曲の持つ魅力を十全に引き出している。
冒頭の「英雄」は、快速のテンポで突き進む。
それは、まさに向かうところ敵なしといった感じ。
「英雄の敵」に入っても、テンポにはいささかの緩みも見られない。
「英雄の妻」では一転してテンポを落とすが、ここのキュッヒルのソロの実に美しいこと。
「英雄の戦場」は、いかにもショルティらしく圧倒的な音量でオーケストラを豪快に鳴らすが、その凄まじさには戦懐を覚えるほど。
「英雄の業績」は、そっけなさを感じるほどの快速のインテンポ。
「英雄の引退と完成」は、再びテンポを落として、演奏全体を雄大に締めくくっている。
ショルティは、一部批評家から、無機的なインテンポの指揮者と酷評されているが、本盤のような演奏に接すると、決してそうではなく、むしろ緩急自在のテンポを駆使した起伏の激しい演奏をしていることがよくわかる。
本演奏を名演と言えるかどうかは、ウィーン・フィルとの相性などを考慮するといささか躊躇するが、ショルティの個性が溢れたユニークさと言う点では、一聴の価値は十分にある演奏であると考える。
むしろ、併録のワーグナーは、解釈に奥行きが出てきたと評された1980年代後半の録音であり、ショルティ円熟の名演と言ってもいいと思われる。
SHM−CD化の音質向上効果は、従来CDの音質もかなりのものであったことから、若干のレベルにとどまっていると言える。
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