2013年01月30日
プレヴィン&ウィーン・フィルのムソルグスキー:展覧会の絵(ラヴェル編)、R=コルサコフ:シェエラザード
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どちらもウィーン・フィルにとって初録音となった珍しいレパートリー。
『展覧会の絵』は意外なことにプレヴィンにとっても唯一の録音。
プレヴィンはウィーン・フィルという、この2曲に関しては意表を衝くオケを起用して、実にエレガントでかつストーリーテラー的な、巧みのある表現を聴かせている。
全体に軟調で絢爛豪華な味わいとは無縁の、淡彩な演奏に終始しているが、各曲の標題を彷彿とさせる絵画的表現は、映画音楽で鳴らしたプレヴィンの強みであろう。
そして何よりもプレヴィンとウィーン・フィルの相性は抜群だと思う。
R・シュトラウスの管弦楽曲などの名演でも明らかであるが、それは、プレヴィンがウィーン・フィルをがんじがらめに統率するのではなく、むしろウィーン・フィルが望む演奏方法、解釈をできる限り尊重して、伸び伸びと演奏させていることによるものと考える。
本盤も、そうしたプレヴィンの長所が出た名演であり、ウィーン・フィルが実に伸び伸びと楽しげに演奏していることがわかる。
もちろん、ウィーン・フィルに伸び伸びと演奏させているからといって、プレヴィンが野放図にしているわけではなく、要所ではしっかりと手綱を締めていることがよくわかる。
『展覧会の絵』にしても、『シェエラザード』にしても、全体のスケールは雄大であるが、造型をいささかも弛緩させることなく、各場面の描き分けを巧みに行って、重厚な中にも情感溢れる演奏を繰り広げている点を見過ごしてはならない。
それにしても、本盤に聴くウィーン・フィルの音色の美しさは格別。
すっきりとした流れの中に洗練された表現を美しく浮かべており、洗練された響きと色彩も美しい。
ライナー・キュッヒルの絶美のソロと相まって、本盤の価値を更に高めることに貢献している。
SHM−CD化により、音響に一段と拡がりが出た点も見過ごすことができない。
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