2014年06月14日

ミルシテインのバッハ:無伴奏ソナタとパルティータ(抜粋)、他


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バッハの「無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ」は、作曲されてから約300年が経っているにもかかわらず、今なお世界のヴァイオリニストが弾きこなすのを究極の目標とするというのは殆ど驚異であると言える。

しかも、無伴奏のヴァイオリン曲という分野でも、このバッハの曲を超える作品は未だに存在しておらず、おそらくは、今後とも未来永劫、無伴奏のヴァイオリン曲の最高峰に君臨する至高の作品であり続けるものと思われる。

そのような超名曲だけに、古今東西の著名なヴァイオリニストによって、これまで数多くの名演が生み出されてきた。

そのような千軍万馬の兵たちの中で、ミルシテイン盤はどのような特徴があるのだろうか。

本盤は、ミルシテインの1957年ザルツブルク音楽祭に於けるライヴ録音であるが、先ず特筆すべきは、超人的な名人芸ということになるだろう。

実に鮮やかとも言うべき抜群のテクニックであると言える。

もちろん、卓越した技量を全面に打ち出した演奏としてはハイフェッツ盤が掲げられるが、ミルシテインは、技量だけを追求するのではなく、ロマン的とも言うべき独特の詩情に溢れているのが素晴らしい。

非人間的な音は一音たりとも発することはなく、どの箇所をとっても、ニュアンス豊かで、詩情豊かな表情づけがなされているのが見事である。

特に「シャコンヌ」は全ての演奏の中でも頂点を極めていると言えるところであり、聴いていただければお分かりになると思うが、この演奏は信じられない程の緊張感に満ちている。

ミルシテインが如何にライヴで力を発揮するタイプだったのかということを理解できると思う。

最近話題になったクレーメルによる先鋭的な名演などに比較すると、いかにも旧スタイルの演奏とも言えるが、このような人間的なぬくもりに満ち溢れた名演は、現代においても、そして現代にこそ十分に存在価値があるものと考える。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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