2013年02月03日
スラットキン&デトロイト響のラフマニノフ:ヴォカリーズ(管弦楽版)/交響曲第2番
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ラフマニノフの交響曲第2番は、最近では様々な指揮者によって録音がなされる超有名曲になった。
それに伴って、演奏様式も、大衆に受け入れやすいということも考慮してか、ロシア的情緒を強調したあくの強いものよりも、洗練された演奏が増えてきているように思われる。
本盤のスラットキンによる新盤も、そうした現代の洗練された演奏様式に沿ったものと言えるだろう。
それは、最近発売されたゲルギエフによるあくの強い新盤との違いを見ても明らかだ。
どこをとっても、ラフマニノフならではの極上の美酒のような名旋律を美しく響かせ、嫌味のない音楽が全く淀みなくスムーズに流れていく。
まさに、耳の御馳走とも表現したい美演ということができるだろう。
したがって、この曲に、もう少し個性的な表現を期待する聴き手からすると、いささか物足りなさを感じるかもしれない。
併録の「ヴォカリーズ」は、「第2」で示した洗練された演奏様式を予見させるような佳演に仕上がっていると言える。
この「ヴォカリーズ」を、メインの「第2」の後ではなく、前に持ってきたというのが、仮にスラットキンの明確な意図によるものだとすれば、「第2」の演奏の先取りを行うという意味において、なかなかのアイデアと言わざるを得ないだろう。
デトロイト交響楽団は、スラットキンの統率の下、なかなかの好演を行っていると言える。
録音も(Naxosであることが少々驚きだが)最新で非常に良く、この曲の素晴らしさを再発見することができる1枚になるだろう。
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