2013年12月31日
スクロヴァチェフスキ&ケルン放送響のプロコフィエフ:バレエ音楽「ロメオとジュリエット」(抜粋)
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明晰で妥協のないアプローチで、ミスターSの真価が遺憾なく発揮されたプロコフィエフ。
ようやく晩年になってからその凄い実力が正当に評価され始めた指揮者として、故ギュンター・ヴァントと並ぶ存在のスクロヴァチェフスキ。
作曲家でもあるスクロヴァチェフスキは、ブルックナーなどのドイツのメインストリームを特に得意としているが、これまで発売されたCDでのカップリングでもわかるように、近現代の作曲家の作品も得意としている。
本盤は、そのようなスクロヴァチェフスキの実力が存分に発揮された名演と高く評価したい。
プロコフィエフの「ロメオとジュリエット」は、近年では多くの指揮者による録音が相次いでいる有名曲であるが、そのような数々の演奏の中でも、最上位に掲げられる名演と言える。
スクロヴァチェフスキの指揮は、ブルックナーを指揮する時のようなインテンポではなく、各場面ごとの描き分けを巧みに行い、テンポの大きい変化やダイナミックレンジを相当に幅広くとるなど(特に、有名なモンタギュー家とキャピュレット家で顕著)、ドラマティックな演奏を行っているが、それでいて各組曲全体の纏まり具合も完璧。
曲によってややばらつきがあるものの、全体的に透明感のある音楽で、なかなか聴き応えがあり、ひとたび聴き始めたら最後まで耳をそらせなくなる求心力あふれる演奏と言えるだろう。
オーケストラに、ドイツの名オーケストラであるケルン放送交響楽団を起用したのも大正解であり、重心の低い腰の据わった深みのある音質も大きな魅力だ。
「ロメオとジュリエット」は、バレエ音楽ではあるが、本演奏では、あたかも一大交響曲のようなシンフォニックなスケールの大きさが全体を支配しているとも言える。
音質が素晴らしく鮮明なのも、本名演の価値を高めるのに大きく貢献している。
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