2013年02月06日
朝比奈&大阪フィルのマーラー:交響曲第4番
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1968年9月2日東京文化会館、大阪フィル第7回東京定期演奏会モノラル・ライヴ録音。
朝比奈には、最晩年の名演の数々に鑑みれば、どうしてもブルックナー指揮者としてのイメージを拭い去ることはできないが、彼の累次の演奏記録を見ると、マーラーの交響曲も第1番を除いて、相当回数演奏していることがわかる。
CDも、これまでのところ、「第2」、「第3」、「第6」、「第7」、「第8」、「第9」及び「大地の歌」が発売され、そのうち何曲かは複数の音源が発売されている。
本盤の「第4」は、朝比奈のマーラーの「第4」として初めて世に出るものであり、その意味でも大変貴重な記録であると言える。
モノラル録音であり、音場がいかにも狭いのが玉に傷ではあるが、演奏内容は、壮年期(この演奏時は60歳)の朝比奈ならではの剛毅な名演と評価したい。
まずは、全体の厳しい造型美。
マーラーの交響曲の中でも、最も古典的様式をとどめている作品だけに、こうした造型を重んじるアプローチは大正解。
もう少し踏み外しがあってもいいと思う箇所も散見されるが、ブルックナー指揮者である朝比奈にそれを求めるのは酷というものだろう。
それでも、第3楽章のゆったりとしたテンポによる深沈たる情感溢れる味わいは、後年の大巨匠朝比奈を彷彿とさせる至高の音楽に仕上がっている。
終楽章の樋本のソプラノは、録音のせいもあって、朝比奈の重厚な指揮と比較するとやや軽妙に過ぎる気もするが、同曲の演奏全体の価値を減じるまでには至っていない。
朝比奈のマーラーの交響曲の遺産として、今後発売の可能性が残っているのは「第5」だと思うが、マスターテープが著しく損傷していて、発売が厳しいと聞いた。
何とか最新の技術を用いてCD化し、発売にこぎつけて欲しいと思っている聴き手は筆者だけではあるまい。
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