2013年02月07日
エデルマンのベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第4番、第14番「月光」、第23番「熱情」
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エデルマンは、今をときめく名ピアニストだ。
リストやショパン、シューマン、そしてバッハのピアノ作品集などがトリトーンから発売されているが、いずれも素晴らしい名演に仕上がっている。
本盤は、そうしたエデルマンによる満を持してのベートーヴェンのピアノ・ソナタ集ということになるであろう。
そして、その期待を決して裏切ることのない名演と高く評価したい。
彼の持つ、音のパレットが確固たる音楽の造形に色を添え、エデルマンらしい感性豊かなベートーヴェンを聴かせる。
まず、選曲に注目したい。
ベートーヴェンのピアノ作品集と言えば、「悲愴」、「月光」、「熱情」が通例であるが、エデルマンは「悲愴」のかわりに第4番を録音した。
その理由は定かではないが、エデルマンのベートーヴェンのピアノ・ソナタに対する強い拘りを感じさせるのは事実だ。
その第4番は、エデルマンの手にかかるととても初期の作品とは思えないようなスケール雄大な演奏に仕上がっている。
緩急自在のテンポ設定と力強さが持ち味であるが、一つ一つの音に温かみ溢れる演奏を聴かせ、繊細な抒情にもいささかも不足はない。
「月光」と「熱情」も凄い。
「月光」では、音の伸び、弱音強音の完璧なまでのコントロールを、「熱情」では音の厚みと絶妙な和声感が特筆の演奏。
特に、両曲の終楽章の重厚にして力強い打鍵は圧倒的であり、とりわけ「熱情」の終楽章は、あたかもベートーヴェンの心底に潜む暗い情念のようなものが描出されて感動的だ。
また、第1楽章の展開部から再現部へ移行する部分での音圧も圧巻!
名演と言うよりも、凄演と言った評価の方が正しいのかもしれない。
SACDによる極上の高音質録音も名演に大いなる華を添える結果となっている。
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