2013年02月09日
カラヤン & ベルリン・フィル ライヴ・イン・東京1977 ベートーヴェン:交響曲第1番&第3番「英雄」
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カラヤン&ベルリン・フィルは3度にわたってベートーヴェンの交響曲全集をスタジオ録音したが(映像作品を除く)、その中でも最高の名演は1970年代のものと言ってもいいのではないかと考えている。
というのも、カラヤン&ベルリン・フィルの黄金コンビがベストの状態にあったと言えるからである(1960年代の全集がSACD化、1980年代の全集がSHM−CD化されているのに、1970年代の全集が、「第9」のSACD化を除き、いまだに全く高音質化されていないのは実に不思議な気がしている)。
ところが、今回、全集の完成直後の来日時のチクルスがCD化されるというのは何と言う素晴らしいことであろうか。
カラヤンは、スタジオ録音よりもライヴ録音でこそ本領を発揮する指揮者であり、カラヤン&ベルリン・フィルの全盛時代のライヴ録音を聴くことができるのだから、これ以上の幸せはないと言える。
録音状態さえ良ければ、もしかしたら、カラヤン&ベルリン・フィルの最高のベートーヴェンの交響曲全集と成り得るかもしれないのだ。
そして、本盤を聴いたが、期待にそぐわない素晴らしい名演であった。
何よりも素晴らしいのは全盛期のベルリン・フィルの分厚い重量感溢れるカラヤンサウンド。
「第1」や「エロイカ」の冒頭を聴いただけで、これぞカラヤンサウンドということがよくわかる。
金管楽器や木管楽器の最強奏の箇所においても、弦楽器は高弦から低弦まですべてが完璧に鳴り切っており、カラヤンの流麗な指揮ぶりと相まって、肉厚の至高の音楽空間が創出されている。
金管楽器も、特に朗々たるホルンなど、この世のものとは思えない美しさで、全盛期のカラヤン&ベルリン・フィルの恐るべき実力を思い知ることができる。
一部の高名な評論家からは、オーケストラがだぶつくだけで精神的に浅薄などという批評も予測されるが、これだけの圧倒的な音のドラマを展開したカラヤン、そしてベルリン・フィルに対しては、例えば、徹底して作品の精神的な深みを追及したフルトヴェングラーなどとの優劣は容易にはつけられないと考える。
録音は信じられないほど素晴らしい。
音響が決して良くないとされる普門館でのライヴとは思えないような鮮明さだ。
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