2013年02月09日
カラヤン & ベルリン・フィル ライヴ・イン・東京1977 ベートーヴェン:交響曲第6番「田園」&第5番「運命」
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これは凄い超名演だ。
カラヤンは、ライヴでこそ実力を発揮する指揮者であったが、本盤はそうしたカラヤンの面目躍如たる至高の超名演に仕上がっている。
カラヤンは、スタジオ録音や映像作品を中心として、「第5」と「第6」の数多くの録音を遺しているが、両曲ともに、本盤こそカラヤンの最高の超名演と高く評価したい。
まず「第6」であるが、ベートーヴェンの全交響曲中で、カラヤンがあまり名演を遺していないのが同曲であると考えている。
その理由は、カラヤンが、他の指揮者ならば必ず反復をする第3楽章を含め、すべての反復を省略するなど、快速のテンポで全曲を演奏するが、スタジオ録音というハンディもあって、全体として聴き手に、平板で、せかせかとした浅薄な印象を与えがちなことが掲げられる。
しかしながら、本盤は、ライヴにおけるカラヤン、そしてベルリン・フィルの圧倒的な高揚感と、録音の鮮明さによって、いつものように快速のテンポでありながら、全盛期のカラヤン&ベルリン・フィルでないと成し得ないような重厚にして、しかも流麗な至高・至純の音楽を構築することに成功している。
もしかしたら、本盤こそ、カラヤンが「田園」という楽曲について、聴き手に伝えたかったことの全てが込められているのかもしれない。
筆者も、カラヤンの「田園」で感動したのは、本盤が初めてである。
「第5」も凄い。
第1楽章の中間部以降の畳み掛けるような進行と、物凄い緊張感は、カラヤンのスタジオ録音ではとても聴かれなかったものだ。
第2楽章の悪魔的とも言うべき鋭いトランペットの音色と、これまた正反対の清澄な木管楽器の思い切った対比は、ベルリン・フィルの圧倒的な技量も相俟ってまさに圧巻だ。
第3楽章の低弦のうなるような重量感も凄まじい迫力であるし、終楽章に至っては、粘ったようなテンポの駆使やダイナミックレンジの幅も広く、乗りに乗ったカラヤン、そしてベルリン・フィルの最高のパフォーマンスがここにあると言える。
これは、間違いなくカラヤンの「第5」の最高の超名演であるし、古今東西の同曲の名演の中でもトップの座を争うものと高く評価したい。
両曲について、音楽のいわゆる精神的な内容の深さを追及した名演も、フルトヴェングラーなど多々成し遂げられているが、本盤の超名演は、それらを一喝するだけの凄まじい音のドラマの構築に成功していると言える。
録音も普門館でのライヴとは思えないような鮮明さだ。
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